第65回よしPレターLIVEのおさらい【14時間生放送】

※画像も文章も大変多くなっておりますので、スマホ等からご覧の方はご注意下さい。

<動画&フォーラム>

「第65回FFXIVプロデューサーレターLIVE」の動画とまとめを公開! (2021/7/26)

14時間生放送のアーカイブはコチラ。
FINAL FANTASY XIV: The 7th 14-hour Broadcast (1/3)(公式Twitch)
FINAL FANTASY XIV: The 7th 14-hour Broadcast (2/3)(公式Twitch)
FINAL FANTASY XIV: The 7th 14-hour Broadcast (3/3)(公式Twitch)

テスト放送

オープニング前にちょこっとテスト放送がありました。モルボルさんではなく、もっちーさんが担当します。

吉田P/Dは、14時間放送の朝、起きたのは7時、寝たのは3時半だそうです。
本日はスクエニ本社、13階のラウンジからのお届けです。

コロナ禍で放送も延期になってしまったため、企画していたこともかなりできなくなってしまったとのこと。
居酒屋アートマなんて、密以外の何物でもないですからね。

最後は素敵な笑顔で締め~。

オープニング

出落ちがコレww フェアリーを鷲掴みにしたジャイアントビーバー!!……だよな?
なるほどこれが感染対策か。

吉田さんがめっちゃ見てる。

小さいビーバー達も背負って、シュールだなぁ……。

ヘッド取ったら怖いwwww
ユラユラするビーバーカチューシャが可愛いw これ欲しいんですけれども。

 

感染対策により、スタジオに呼べる人数が制限されてしまったため、来られなかった開発者の皆さんからのメッセージ動画がありました。

 

松田社長が登場したので、吉田P/Dからサーバー増強のお願いがありました。
これに対して、「投資は惜しみませんので」と言っていただけましたよ!
うっかりサーバーの場所を言いそうになるのはやめてーーー。

それでは、14時間放送、スタートです!

本放送

ベンチマーク

さぁ、開幕流れてきたのは、拡張前のこの時期恒例、ベンチマークトレーラーです!

このタイトルシーン、カッコいい!!

オメガがいるぞ?

この草を摘んでいる園芸師?のポーズが気になっています。動画用に既存のモーションを合わせただけかなぁ。

 

吉「あの……本当に毎回思うけど、精神力強いよねぇ」
モ「7回目ともなりますと……」
吉「なるほどね」

ベンチマークソフトは、7/11(日)から公式サイトで配布となります。
今回のベンチマークは、「非常に快適」のしきい値が15,000に変更になっておりますので、過去のベンチマークとのPC性能比較を行っている方はご注意ください。

RWのレガシーマークに関して

レジスタンスウェポン(RW)のナイトの盾の裏にレガシーマークがついている、というのが話題になっていました。(私も注目しました)
深い意図があったわけではなく、あそこはカンパニークレストを貼る位置になっており、そこのパラメータを「0」にすると、レガシーマークが貼られる仕様になっていました。
初期値を間違えてしまったということになります。
そんなわかりやすい数字にレガシーマークを入れておくこと自体がミスを誘発するのだと思いますし、再発防止のため、データの持ち方を変えようという話をしています。
申し訳ございません。よろしくお願いいたします。

6.0 暁月のフィナーレ

新たな物語

ハイデリン&ゾディアーク編という一つ目のサーガが完結となります。
ストーリーボリュームは、ぶっちぎりで過去最大です。
単純にボイス量で、漆黒(5.0)の1.3倍です。カットシーンも多くなりますし、内容も濃くなります。

新たなタウン

オールド・シャーレアンは、旧FF14からずっと名前は出ていたのですが、今回ついに上陸していただきます。
サベネア島の都市ラザハンは、漆黒でいうとユールモアに該当する街となります。

広大な新規フィールド

地下に建設され、人工太陽が輝くエリアがあり、ガレマール帝国の首都があり、全く文化圏の違うサベネア島があります。

月や謎のエリアもあります。
各データは開発サーバーに乗ったので、これからブラッシュアップしていくという段階です。

新たなジョブ 賢者/リーパー

アルフィノ賢者になるのですが、なぜ彼が賢者にジョブチェンジすることになるのかは物語に組み込まれていますので、ご注目ください。
我が友(とは呼びたくないかもしれませんが)ゼノスが、近接DPSのリーパーとなります。

新たな多数のダンジョン

いわゆるエキスパートと呼ばれる、カンスト後に行くダンジョンはちょっと毛色が違いますが、それ以外の全てのダンジョンはメインシナリオに紐付いています
仕掛けもかなり凝っています。
今回はフィールドもそうですが、ダンジョンも相当変化に富んでいますよ。
自由探索は、同時実装となるかどうかは未定ですが、当然対応していく予定です。

高難度レイド 万魔殿パンデモニウム

6.0からは2週間ずつ空けて、ノーマル零式を実装する予定です。
このアートワークには、結構深い意味があります。

6.0が11/23ということで、レイドは年内にリリースですよ!
年末年始はたっぷり挑戦できそうですね。

アライアンスレイド ミソロジー・オブ・エオルゼア

十二神という存在は果たして何なのかという部分に深く切り込んでいくレイドとなります。

新たな獣人たち アルカソーダラ族/レポリット

メインシナリオの中で、それぞれが重要な役割を果たします。
どちらも魅力的に仕上がっていますよ。

新たな脅威 メーガス三姉妹/アニマ

FF4にも登場するメーガス三姉妹は、そのものではなく、FF14の世界でそう呼ばれている存在がいるということです。
アニマがどんな存在で、どこで出てくるのかは全く語れないのですが、いろいろ考察してくださっている方々がいるようです。

多数の新装備/新クラフト

グラフィックの大部分は、締切に向かって押し込んでいる最中です。
なんと、UIとグラフィックのリソースの確認を含めない、コンテンツのP/Dチェックのスケジュールが253時間組まれています。
これはあくまでも一次チェックです。

吉「多いなとは思うんですけど、253時間ゲームをやればいいって考えるとそんなにはね?」
ふと夜中にスクリーンショットをポロリすることもあるかもしれない時期ですので、完成間近ということでお楽しみに!

ジョブ専用装備(AF)のチラ見せですよー。
まずはナイトから。

戦士はロスガルですが、ツノの感じがいいですね。

暗黒騎士はシュッとしています。

ガンブレイカーはオシャレ!

モンクは袖がある!

竜騎士はシャープなシルエット。

忍者は面付き。ヴィエラの髪型追加も少しずつ始まるそうですよ。

は目の下の隈取が頭装備とのこと。ほほー。

旅装スタイルの吟遊詩人

機工士はスタイリッシュ。相棒も一緒に。

踊り子は武器も円月輪ではなくなりました。

黒魔道士。残念ながらアートにいた黒猫はついてきません。

召喚士はドレープが綺麗。

赤魔道士は王道のスタイルで。

白魔道士はフリルいっぱい。巫女っぽさもありますね。男性は締まったデザインになるようです。

学者はらしさを求めつつ、ちょっと新しいデザインを追う感じに。

占星術師はサベネアンな感じに。足元はパンタロンとサンダルです。

さらなるアップデート

少人数PvPコンテンツは、今後特集を組んでご紹介します。全く新しいルール、報酬システムです。

イシュガルドハウジングは、抽選システムを作っています。
早い者勝ちのエリア抽選エリアを分けられるようにします。
条件も、ハウスが購入できる資格があること、フリートライアルのアカウントではないことなどを設定し、抽選申し込み時に一旦ギルを預けるなど、妨害や業者への対策も講じています。
申し込んだのに購入しない場合は、ギルペナルティがあります。
その他、ソロで購入できるエリアFCで購入できるエリアを設定で変更できるようにもしています。

データセンター(DC)トラベルは、初期段階では、日本、北米、欧州のそれぞれのDC内での移動のみとし、日本→北米などの移動はできないようにして、様子を見ます。

バトル計算式のデノミネーション

現在、バトル計算式の数値の桁がとても大きくなってしまっていて(億単位)、オーバーフローしてしまいます。
ヘイト計算も限界に来ていて、無理矢理ヘイト値を上げるというようなことをしています。
この数値の「桁を下げる」ことがデノミネーションだと思ってください。

レベルアップによる数値の上昇幅圧縮をかけ、敵も味方も数値を小さくします。

気になるポイントを、Q&Aにまとめましたよ!

吉「コメントで『まだ何年も運営すんのか』って書かれてますけど、やりますよ!」
モ「そら、やるでしょうよ」
吉「あと10年は頑張りたい」

帯防具の削除

帯防具に関しても、前回のおさらいです。

今後のスケジュール

今後のスケジュールのまとめはコチラ。

各イベントの詳細はコチラ。

FF15コラボに関しては、シーズナルリプレイという機能が特別に使えます。
このリプレイは、会話の選択肢分岐を全部見たい人のためのものですね……。

メディアツアーは、リモート予定です。
ジョブやフィールドの雰囲気がわかるのも、このツアー辺りからですね。

暁月のフィナーレ、アーリーアクセスの権利があるのは、予約をした人のみですのでご注意ください。
現時点で、漆黒の時の160~180%の予約率だそうですよ。

ベンチマーク キャラクリエイト

これは吉田P/Dがキャラクリしたヴィエラ男性。
設定的には、ヴィエラは男性の方が女性より身長が低いのです。

スペシャルトークセッション

本日のゲストは、ヨルハ:ダークアポカリプスの開発から、齊藤陽介さん、ヨコオタロウさんです。

入場はやっぱりこんな感じになるのねw
このエミールヘッドは2代目で、マグネット式になっていて、パカッと開くとか。

Q&A

本日のトーク内容は、お二人がフォーラムに寄せられた質問に片っ端から答えていく、Q&A特集です。

統計の結果によっては、エンディングは変わっていたの?

Q:エピローグで表示された統計が、全ワールドでアノッグ優勢でした。もし、コノッグが優勢だった場合、エンディングの内容は変わっていたのでしょうか?

A:
ヨコオ:僕は基本的に設定や内容の話をするのが好きじゃないので、今日はしないつもりなんです。だからFF14さんにも「俺、設定は別に回答しないですけどいいですか」って言っています。
ただ、投票の結果は別に僕が考えた設定ではないので、結果を見た感想はお伝えできるなと思います。
最初に結果を見た時に、どのサーバーもそっくりな割合になっていて、これFF14のエンジニアの人がなんか操作したんじゃないかというのをまず疑ったんですよね。
そもそも吉田さんと、割合が違うことでいろいろ答えを変えていくみたいなプランを最初に話していました。それが実際の工数的に面倒臭くなったFF14チームが、なんとか一種類のエンディングしか作らなくてもいいように、結果を操作していったんじゃないかというのを疑いました。
吉田:じゃあ、それを見た我々開発チームからのコメントをしてもいいですか。
ヨコオさんのリクエストで、どっちの選択肢を選んだかをちゃんとワールドごとにデータを取りたい、と。でも仕組みが無かったんですよ。で、作りました。
で、取ってみたらですよ、あの数字を見た時の我々、「バグってんじゃないのこれ」っていうくらい。でも誤差は出てるんですよ、ちゃんと。ログデータまで深追いしてみたら、確かにそうだねと。
でもきっとヨコオさんは、やりたくないからこいつら数字丸めたんじゃないかって思ってるんじゃないかとは思ってました。
ヨコオ:その後で、仕込むならもうちょっと数字を散らすなって思いました。
吉田:そうなんですよ。
ヨコオ:8:2とか9:1とかを混ぜつつどっちかに寄せるなって思って。これだけ近いのは、人間が意図してやってないな、きっと素のデータなんだろうなと。
吉田:そういう意味だと、どっちが勝ったら内容が変わってたかっていうとそうじゃなくて、バラけてたら、もしかしたら物語の展開自体が変わってた可能性はあるかなと。
ヨコオ:そこで何かしらの意味があったのかもしれないということを考えていたんですけれど、同じような数字にどんどんなったというところで、僕は思ったのが、統計学ってある程度のサンプルを取ると、そのサンプルだけで世界全体の人口の意思がわかる、みたいなものがあって。10万人いたら何%か取ると、全体の意思が決められると言っていて。
今僕らは民主主義で選挙とかをやっていますけど、実はランダムで5%しか取らなくても、みんなの気持ちが取れちゃう。つまり僕らに個々人の意思はあんまり無くて、サンプルを取るだけで世界の意思に巻き込まれちゃうという、世界の仕組みを垣間見て、凄く面白いなと思いましたね。
吉田:あれは本当に僕も思いました。不思議なもんだなぁと。物語の序盤だから、感情移入してキャラを選ぶシチュエーションじゃないじゃないですか。にもかかわらず、何も考えずにガンガン謎を追っていく側と、いやいやもっと慎重にしようよっていう側、結構性格が出やすい質問なのに、あれはびっくりしました。
ヨコオ:だからその配分で、人間って性格が分けられているんだなって。僕らが個性だと思っているものは、実はもうデフォルトでデザインされているなっていうことを凄く痛感しましたね。
あともう一つ、UIで上に並んでいる方が選ばれやすいみたいな可能性はあるなと思うんですが、仮にそうだとすると僕らの意思はもはや無くて、UIに操作されまくっている人間の姿がここに表れていて、それはそれで凄く楽しいなと思います。
齊藤:酒飲んでないから、すげー真面目な話してるって言われてる。コメントで。
吉田:あれは僕も、UIの上にある方が選ばれやすくなっちゃうだろうなと思ってたんで、選ばれやすくなったであろう投票数をどう判断したらいいかなってちょっと思ってたんですけど、そういうこともなかったんですよね。もしそうなら、もっと差がつくと思ったんですよ。だからあれは本当に不思議な結果でしたね。
ヨコオ:なんか人間の集合を垣間見たっていうか、あれをやっただけでも、FF14(をやって)良かったなと思っていて。大勢の人間が集まってゲームをやることの意味がそこで示されているなっていう、ちょっとした社会実験だったなって思いましたね。
吉田:最大に凹んでいたのは、担当者プログラマでした。
ヨコオ:苦労したのに。
吉田:「これほぼほぼ50%ですよね」みたいな。

今後もヨルハ装備の追加はある?

Q:ニーアオートマタの飛行ユニットや、ポッド、エミールが引いていたカートのマウント、ニーア由来の武器や、A2、エミール、赤い少女をモチーフにした装備など、今後もヨルハ系の装備が追加される可能性はありますか?

A:
ヨコオ:やりましょう! お客様の望むことをやるスクウェア・エニックスですから、お客様が喜ぶことは全て叶えます! やりましょう!
齊藤:俺達がやるわけじゃないから。でもヨコオさんがやりましょうって言ってるのにやらないわけにはいかないよね。
吉田:ポッドは多分ねぇ、ぶら下がって移動するモーションがもうあるから、できると思う……。
齊藤:飛行ユニットに乗り込もうよ。上に立つんじゃなくて、ガッとちゃんと乗り込むようにしようよ。
吉田:ララフェルはどうするんすか。
齊藤:あ、ララフェルはちょっと隙間があればいいんじゃない。どセンターに浮いてるとか。
ヨコオ:それか、尖ったところがあれば、ちょっと刺しておくとか。
吉田:あ、それでいいんすか。ルガディンとかは押し込めないっすよ。
齊藤:すごい肩をギュって(すぼめて)。
吉田:そうか……。あ、やってはいいってこと?
ヨコオ:ご予算があればいくらでも。僕らはもうコラボも終わったし、晴れ晴れとした気持ちで。どうぞどうぞの気持ちでいっぱいですよ。
吉田:今日イチ開発が「は?」ってなってると思うんですけど、やっていいと言うなら……ポッドからだったら早いんだろうと思うので、じゃあちょっと……。
少なくともポッドはなんとかしていきます。ユニットはねぇ……相当変形あるからちょっと考えます。相談して。でもリクエストが凄く多いのは確かなので。はい。

「YoRHa: Dark Apocalypse」というタイトルに込められた意味は?

Q:そもそもの、「YoRHa: Dark Apocalypse」というタイトルに込められた意味を教えてください。

A:
ヨコオ:ヨルハっていう名前をつかうというレギュレーションがあったので、音感のいいものを並べて、意味性のあるものを並べて、いくつか案を出させていただいたんですけど、吉田さんがこれがいいって仰ったんですよ。
一回候補から落ちてて。それを吉田さんが「俺はこれがいいんだ」って。だから吉田さんが決めた、吉田さんのセンスのタイトルです。
吉田:いやー、中学生の頃から僕、「黙示録」っていう響きが、厨ニなんですけど、なぜかやたら好きで。
齊藤:厨ニ感凄いね。
吉田:それをアポカリプスって呼ぶじゃないですか。で、いつかアポカリプスってタイトルにつくゲームを作ってみたいなって思ってたんです。若い頃。本当に中学生の頃に。
それがリストの中にパッと出てきたんです。しかも「ダーク」がついてる!
でもきっとヨコオさんが羅列したっていうことは、どのタイトルを取ったとしてもそう解釈できることを考えてらっしゃるんだろうと思うから、だとしたら僕がニヤニヤできるタイトルがいいなと思って。中学からの夢が叶ったんですよ。
齊藤:いくつかあるタイトルの中では、一番ないよねという感じのタイトルではあったね。だから凄いとこチョイスするなと思って。
吉田:選んでみて思ったんですけど、僕は若い頃からアポカリプスって心の中で何度も言ってたから意外と噛まないんですけど、(齊藤さんが)噛むんですよ。
齊藤:言いづらい!
吉田:アポカリプスだけだったらいいんですけど、ダークアポカリプスでメディアもみんな噛むんですよ。
ヨコオ:ヨルハのコラボって言ってます。
吉田:プロデューサーとしてどうだったかなってちょっと思いました。

もし偽造サレタ神が光の戦士を打ち破っていたら?

Q:もし「偽造サレタ神」が光の戦士を打ち破っていたら、世界はどうなっていたのでしょうか?

A:
齊藤:FF14がおしまいってことじゃないでしょうか。
ヨコオ:偽造サレタ神が光の戦士側になって、一緒に楽しく冒険してるなって、よくわからないパーティ感が出てくるんじゃないですかね。
意外と会ってみたら良い奴だったかも。
齊藤:データセンター爆破ルートだって。
吉田:それはあったかもしれないですね。
ヨコオ:この質問、僕は面白いと思っていて、ゲームのラスボスって撃破されるためにあるじゃないですか。決してラスボスが勝つデータなんか用意されないし。
そういう意味では、絶対に負けない。なんだろう、僕若い頃、「ヒーローの条件ってなんですか?」という議論があった時に、他の人が「勝ち続けることだ」と言ってたんですけど、僕は「負けてもいいから最後に勝つことがジャンプとかのヒーローの条件」なんかじゃないかと思って。
FF14とか他のゲームも全部もそうなんですけど、ラスボスって(プレイヤーが)勝てるじゃないですか。一旦負けてもいつか勝てる。ラスボスが勝つルートは用意されてなくて、もう地獄のように(プレイヤーが)勝つしかない未来が固定化されているっていう、可能性の狭さが残酷でいいなって思いました。
吉田:想像の余地はあるにせよ、そもそもそれ(ラスボスが勝つこと)はありえない。なるほど。
ヨコオ:ゲームの自由度が叫ばれる昨今、ラスボスが勝ってゲームが終わることは許されていない、禁止されているっていうのが味わいがあるなと思いました。
この質問は凄くいい質問だと思います。

ヨコオさんチームとFF14チーム、開発はどう分担したの?

Q:シナリオやバトルギミック、BGMの選曲など、レイドの各要素をヨコオさんチームとFF14チームでどのように分担して開発されていたんでしょうか?

A:
ヨコオ:分担はいろいろあるんですけれど、例えば曲の選定であれば、シナリオ班が候補を出してくれて、それに僕がこれがいいっていう話をして戻したりとか。ギミックとかも基本はそうです。
これちょっと難しいのは、全部現場がやりましたって言うと、嫌なことも現場のせいにしちゃってることになるんで、そこのバランスが難しい。
逆に俺が全部考えましたって、責任取るから言いますって言うと、良かったことも全部俺の手柄になるから。これはなかなか難しいなと思いながら。
ただ、FF14の曲と悪魔合体させるみたいなBGMコラボがあったんですけど、最初に僕が「この曲は凄くいい曲だから入れたい」って言ったのが、紅蓮の曲だったんです。
シナリオ班でFF14をやっていたメンバーが、「これは凄くいい曲なんだけれど、FF14を代表する曲かっていうと、ちょっと違う感があるからこっちの曲がいい」って言って、別の曲になったっていう経緯があります。
吉田:紅蓮のIDのボスバトル曲(『鬨の声』)ですね。みんなも大好きなんですよ。ただFF14全体を代表する曲かって言われたら悩ましいですね。それが聞きたかったとも言われるし、ヨコオさんの選曲も刺さりはするんですよ。絶対。ただ『天より降りし力』の方が新生した時の代表曲だったんで。
ヨコオ:ニーアの曲と悪魔合体させていただけるチャンスなんてないなと思って、無茶苦茶やったら意外とちゃんとした曲になって良かったです。
岡部さんは大変だったって言ってましたけど。
吉田:でも絶妙のあれでしたね。
齊藤:デモ曲を真夜中にもらって聞いた時、笑っちゃったもん。こんなふうになるんだって。
ヨコオ:俺も笑いました。
吉田:凄くスムーズに入るなって思って。びっくりしましたよ。
ざっくり言うと、シナリオ周りヨコオさんチーム監修の上で作っていき、それを受け取りつつ、場所とかが決まってくるので、どんなボスを出すかというのをFF14チームからある程度出させてもらって、監修していただいて。デザインは基本的に一つ一つ全部監修していただいて。
ギミックFF14チームが主で作って、こんなバトルにします、こんな無茶苦茶やりますけどいいですか、っていうのを監修していただいてといった感じです。
だからビルをぶっ飛ばそうって言ったのは、多分開発チーム。それを聞いたヨコオさんが、「じゃあスクエニ本社にしたい」って。
齊藤:これいいの? 結構なネタバレだけど大丈夫?
吉田:俺のとこまで来たんですよ。会社確認したら、広報に凄く苦い顔をされました、どうしましょうって。だから「SQEまではいいけど、Xは入れんな」って言って。
モルボル:そんな落とし所にしたんですね。
吉田:コラボレーションですよ。まさにあれが。

死期を悟る老竜は本当に手違い?

Q:「複製サレタ工場廃墟」に死期を悟る老竜が出現したのは、本当に本当の手違いだったのでしょうか? 個人的には『ドラッグオンドラグーン』を彷彿とさせる出来事だったのでいい手違いだと感じましたが、どうなんでしょうか?

A:
ヨコオ:あれは手違いじゃなく、僕が仕込みました。
モルボル:あれ?
吉田:滑らかに言いましたね、今。
あれは本当に本当に、何の仕込みでもないバグなんですけど、あんなに親和性が高いとみんなが言ってくれるんだったら、狙いましたって言った方が良かったなって。
いやぁ本当に偶然とは恐ろしい。

アノッグとコノッグ、デボルとポポルに関係はある?

Q:アノッグとコノッグはニーアシリーズのデボルとポポルのように双子です。何か関係はあるのでしょうか?

A:
ヨコオ:関係があるかどうかは設定に絡むのでお答えはできないんですけれども、双子の話で最近よく目にしたのは、「ヨコオは双子の片方を殺しがち」っていう、誰か実況の人が言ってたのかな?それが俺のとこまで回ってきたんですけど。
それには理由があって、説明させていただきたいんです。「お金が無いのが悪い」が最終的な答えです。
なぜお金が無いと双子の片方を殺すのかっていうと、とんちみたいなんですけど、まず物語上、ドラマティックにしたい時に、凄く親密度の高い人間を殺すと盛り上がるっていう人間の気持ちのセオリーとしてあるんですね。例えば家族の誰かが死ぬとか、恋人が死ぬとか、そういう組み合わせでいろんな親和性が高いものがあるんですけど、やっぱりそれが道を通っている赤の他人とかだと、なんか気持ちがあんまり入らない。だから近しい者を殺すっていうのは、セオリーの一つではあります。
その時に、大家族のお母さんが死ぬとかになると、お父さんも子供もみんなモデルで作らないといけなくて、お金がどんどんかかってくるんですね。
物語もお父さんと子供達の繋がりを描かなくちゃいけなくて、どんどん時間と金がかかってくるんで、それをどんどん圧縮してくると二人になるんですよ。
二人で片方を殺すという効率のいい殺し方になっていって、その結果、大体殺すのは双子か恋人か親子か兄弟。関係性が濃い二つを組み合わせてコスト安くして殺すっていうのをやりがちだというのを、やっぱりお客様にはバレちゃうんですよね。やっぱりお金をかけずにやったところは申し訳ないなっていう気持ちでいっぱいになりましたという結末です。
吉田:そこまで言わなかったら、誰もそこまでだとは思わなかったと思うんですけど。
齊藤:でも最終的には両方殺すんだよね。片方じゃないからね。
吉田:双子の場合はモデリングも、二人ですけど一つですしね。
ヨコオ:吉田さんが仰ったように、双子のいいところは同じ顔で二体作れるっていうね。
吉田:制限があるからこそアイデアをひねり出していくっていうのがゲームじゃないですか。正直。予算的限界とかスケジュール的限界とかで。でもね、そこに凄く感情移入している人達は、この話聞くんじゃなかったって思ってると思います。
うちにもね、主役級の双子がいますよ。
齊藤:ヨコオに関わらなくてよかったなって書かれてるよ。
吉田:わからないですよ。ずっとヨコオさんが書いてるのかもしれないじゃないですか。最期の時をずっとニヤニヤしながら書いてるのかもしれない。

続きが今後語られる可能性はある?

Q:今回の物語の続きが、今後のFF14や他シリーズなどで語られる可能性はありますか?

A:
ヨコオ:僕は資本主義の奴隷なんで、お金さえいただければどこでもなんでも語りますよ。その辺の居酒屋でも、お金いただければ語りますよ。
齊藤:そういう問題じゃないでしょう。
ヨコオ:そういう問題じゃないですか。
齊藤:でも先が知りたいなとはちょっと思うけどね。
ヨコオ:皆様が何かに課金していただければ、俺は作ります。
吉田:ポッドとか飛行ユニットの報酬をそこまで待つってなると、また年単位でかかっちゃうから、それはそれで先行してやるとして、やってもいいっていう可能性があるのなら、ちょっと検討させてもらおうかなと思います。
FF14チームの中でも、アイデアの出方がちょっと違うんですよ。今回だからこそとか、ヨコオさんのゲームを遊んできたからこそっていうのが加わって、新しいギミックとか仕組みが物凄くたくさん開発されたので、それがまた結果、FF14の発展にも繋がるから。
お金次第だと言っていただくのであれば、社長にオッケーさえもらえれば。
齊藤:ダークアポカリプスは、ニーアチームの中では結構大変な仕事だった。
吉田:そうですよね。めちゃめちゃコストかけていただいたので。ありがとうございました。

ウィークリークエストの意図は?

Q:後日談をウィークリークエストで展開していくというアイデアが斬新でしたが、これはどういう意図で実装されたのでしょうか?

A:
ヨコオ:僕、今までずっとコンシューマーゲームが多くて、クリアしたら終わりっていうのが多いんですけど、クリアしたら終わりのゲームって、大体ドラマティックな展開があってバーンってなって、みんながニコニコして手を握り合うっていう、そういう心温まるゲームを今までもやらせていただいてるんですけれども!
吉田:ヨコオさんが作るゲームでそんなのありましたっけ……。
ヨコオ:FF14ってMMOで、ここで終わらないというか日常が続くというゲームだと僕は凄く感じていて、そこに世界があってリアルで生きている人達がいるから、提供するドラマではないなと思ったんです。
映画みたいに一本見たら終わりというものではなくて、世界の中に溶け込む体験の一つで、それがその後も続いていくというのがわりと重要なのではないかと、僕の中では思っているんです。
で、その後にも何か残ったり気持ちが残ったりするといいなということを考えながら、そのウィークリークエストでデザインさせていただきました。
吉田:だから、ウィークリークエストの先に壮大なラストがあるっていうことではなくて、壮大なラストがあった後もオンラインゲームは日常が続いていくから、結局この物語はここでバツン(と切れる)じゃなくて、周りの人達の日常の続いていく物語がウィークリーになっていると。
ヨコオ:そうですね。
シンデレラの物語ってめでたしめでたしで終わるけど、あの後どうなったのかは語られないじゃないですか。何か絶望の世界があったかもしれないし、そういう可能性の未来をFF14では描けたかなって、今までコンシューマでは描けなかった物語の一つの形っていうのが提示できたのかなと思います。
吉田:だから、逆にあそこに壮大な、このウィークリーの先に全ての答えが!っていうのじゃあない。ユーザーの方はそこを期待した人もいただろうなとは思いました。

レイドの所要時間は詰め込んだ?削った?

Q:今回のアライアンスレイドは、全体的にこれまでのものよりも所要時間が長く感じましたが、これは表現したいことを詰め込んだ結果長くなったのか、それとも本当はもっともっと詰め込みたかったけど泣く泣く削ってこのくらいになったのかでいうと、どちらでしょうか?

A:
吉田:開発側なので僕らから答えるべきだと思いますけど、シナリオの筋とゲーム中で展開するドラマ部分と、バトル全体のギミック構成を考えると、「ああなっちゃった」が正しいかな。
短くするためにさらに削ろうというようなことはしてないです。
なので、演出も込みなので、以前の演出を入れられなかったアライアンスレイドに比べるとちょっと長めかなとは思いますけど。
齊藤:でも本当にイベントシーンなんかもめっちゃ綺麗に作ってもらったなぁと思って見てたけどね。すげぇな、FF14チームと思いながら。
もちろん、アセットを渡したりはしたけど、あそこまでちゃんと世界観作り込んでもらったり、なかなかないでしょう、あんなの。
吉田:スタッフがヨコオさんのゲームが好きなんですよ。
ヨコオ:ありがとうございます。
なんか(プラチナゲームズの)田浦(貴久)さんにも言われたんですけど、「ヨルハのコラボは凄く優遇されてて、ボリュームがめちゃくちゃ多いんだけどどういうこと?」って。
逆に失礼ですよって言われたんですよ。ニーアごときがあんな。
吉田:いやいやいやいや。田浦君、ちょっとどうしちゃったの?
ヨコオ:もう完全に光の戦士になっちゃってますね。
モルボル:テンパード化が進んでますね。
齊藤:戻ってこれそうにないね。
ヨコオ:俺は最初にボリューム感をこのくらいで作りましょうって言われて、わかりましたって始めたので、コラボってこのくらいの量なんだって思ったんですよ。
そんな多く思われるつもりはなかったんで、ならもっと短くラクに作ってたのになっていうのが後からの感想です。
吉田:データのベースをいただけているのが大きくて、もちろんシェーダーとか描画エンジンが違うので、それに合わせて調整はかなりやりましたけど、やっぱりFF14っていう通常の世界観では作れないものが多かったんで、デザイナーは凄く嬉しかったと思いますよ。変形ユニットとかね。
最近はGウォーリアとか、メカ作ってんじゃんって言われるかもしれないけど、あれ(ニーアの世界)はなかなかFF14の世界観では作りづらかったところで、ニーアオートマタをやって自分なりの解釈もあったはずなので。
あとはニーアファンが見てがっかりされたくない、というのがあるので、凄いテンションでしたよ。出来た時、「見てください!」って全然普段のテンションと違いましたもん。みんな目キラキラしてた。
ヨコオ:凄くいいなと思います。ヨルハの服のバリエーションもあったし、飛行ユニットの違うバリエーションも出てきて、本当はオートマタでやりたかったけど予算がなくてできなかったことが、今ここでできてる。羨ましさがありましたね。
吉田:何回か、「お金ありますね、FF14チーム」って。
齊藤:ヨルハの衣装もそうだもんね。
ヨコオ:そうです。ヨルハも男の子と女の子の衣装しか作れませんって言って、それで無理矢理話を作ったのが真相で。

『Weight of the World』『全てを破壊する黒き巨人』のミックスアレンジは誰の選曲?

Q:今回、『Weight of the World』『全てを破壊する黒き巨人』がFFの楽曲とミックスされてアレンジされていましたが、これはどなたが選曲されたのでしょうか?

A:
ヨコオ:先程も答えましたが、シナリオ班からの提案がありましたね。
吉田:で、そこからヨコオさんが選んで。
齊藤:最終的な決定はヨコオさん

小さな即死ゾーンはなんで作ったの?

Q:希望の砲台「塔」の赤い少女戦で、中央にある小さな即死ゾーンによく引っかかって困っています。もう慣れたので修正してほしいとかではないんですけれども、せめてなんでこんなことにしたのか、実装理由だけでも教えてください。

A:
吉田:ご存知の通り、ブロック分けされたところでワチャワチャしていただくところで、いち早くどこに移動すればいいかを確認して移動しつつ安全を確保するというものなんですけど、正直に言いますと、作ってみたら、真ん中が開いてると簡単なんですよ。とりあえず中央通って行けばいいやって。真ん中を潰せば遠回りしていかなきゃいけないんで。
テストプレイした時に、「これ中央潰したな?」って言ったら「はい」って言われました。
モルボル:明確な設計上の理由があったわけですね。
吉田:ヒカセンの方に飛び込んでお亡くなりになってほしかった。はい。

齊藤:今回のアライアンスレイドって、レイドコンテンツとして難易度はどうだったんですか?
吉田:僕はちょうどよかったくらいなのかなとは思ってたんですけど。
ヨコオ:嘘。俺はありえないくらい難しいと思いましたけど。
齊藤:俺とヨコオさんが相当数床ペロをした結果、若干簡単にしてもらえたんじゃないかとは思ってるんです。
吉田:リリース版は、お二人の屍が積み上がった上にあるので。ただお二人がプレイしたバージョンは相当だったのは確かですね。
ヨコオ:なんか俺、死ぬ前に蘇生されてた気がする。
齊藤:死ぬために生き返らせられてる。
ヨコオ:そう。「……シテ……コロシテ…」状態になってる。
齊藤:面白いなと思ったのが、ヨコオさん蘇生した瞬間倒れてる。
吉田:ヨコオさんにどうですかって聞きに行ったら、「この状態で何をチェックしろって言うんですか」って。
ヨコオ:背景も何も見てる余裕がない。床だけですよ。見れるの。
吉田:互角な状態というか、これでどうや!みたいな状態でプレイしていただいて、「こんなん無理」って。
ヨコオ:あんなに難しいめちゃくちゃな難易度のゲーム作っておいて、道中にある弾幕の球、一発当たったらパーティ全滅させましょうっていう俺のアイデア、すぐ却下されたの、納得いかないんですけど。
吉田:他人のミスで全員巻き込みは、よっぽどじゃないと使いづらいんですよね。自分のミスだったら自分にイラッとくればで済むんですけど、そうじゃないものは作りにくいっていうのと、弾幕ってサーバーとクライアントで判断してるから、意外と厳密にやろうとすると、「今の当たってないだろ」が起きやすいんですよ。なのでそこにシビアな条件を入れちゃうと、プレイヤーの皆さんのストレスが高いので、それ以外のところでお亡くなりになっていただこうとしてああいう結果になったのです。

今後真相が明かされる機会は?

Q:完結後にもいくつかの謎が残りましたが、今後真相が明かされる機会はありますか?

A:
齊藤:ないです。
ヨコオ:僕から真相を語ったりはしないんですけれど、説明をなぜしないんだみたいなお話はよくいただくんです。
これ吉田さんがインタビューで仰ってたんですけれど、ニーアのファンとFF14のファンで受けた印象が違う、そういう回答をされていて、ニーアのファンならばわかるんじゃないかという憶測がされていたことがあったんですが、まずそんなことはないです。ニーアのファンの人もわからないです。
そういう意味では、わかるようには作ってないので。FF14のファンとニーアのファン、平等にわからないように作っています
誰もわからないように頑張って作っているというのが、僕の回答になります。
なぜ反応が違うかというと、ニーアファンはわからないことに慣れちゃってて、またこんな感じでしょっていう痛みに耐えているだけで、別にわかっているわけではないっていう、そこは強く説明させていただきたいなと思います。

なぜ説明しないかというと、最近たまたま良い例があって。コラボの中身で説明するとネタバレになってしまうので、別の例で説明したいんですが、谷川俊太郎さんという現代日本を代表する有名な詩人さんがいて、詩人界でいうとキムタクみたいな、御年90歳くらいの偉人です。その方の詩があって、それをサンプルにしたいんですが、放送禁止用語が含まれているので名前は出せません。
女性に「谷川俊太郎にこういう詩があってね」って言ったらその女性が、「この詩はお母さんに見せられない」って言ったんですね。
それを聞いた僕が、いやいや谷川俊太郎大先生がですよ、そんなことありえる?と思って、この詩に込められた思いを訥々と説明し始めたんですよ。
その詩を検索して読んだ方はなんとなくわかるのかなと思うんですけれど、女性に見立てた大地、地球に溶け込んで死を迎えるという、大地と交わるみたいな詩になっていまして。
なぜその詩を書いたのかというと、いろいろな意味が捉えられるんですよね。禁止されている言葉がそもそも女性を示す言葉であり、それを大地に見立てている、またその言葉は生れいづる場所でもあるので、人間が生まれてきたところから、愛を育んだところでもあり、そして死を迎えるところでもあるっていう、人間の一連の輪廻を表している詩だなって感じていて。

谷川俊太郎さんも90歳くらいなので、凄く死を意識されているのかなって僕は思っていて、これ最近10年くらいの詩なんですけれども、死を意識する時に、我々は女性に帰るんだっていうことをその詩は描いているんですが、谷川俊太郎さんも僕らも男性じゃないですか。で、男性ってみんなマザコンだってよく言いますよね。
マザコンの男性が女性に帰るっていうことで僕が感じるのが、男は自分にないもののところに帰る、男は孤独で自分にはない、女性にしかないものを求めてしまう、これは男性と女性で感じ方が違う詩なんじゃないかと考えていて、死にゆく孤独、自分にはないものがあるということに気付いてしまった孤独が表されているんじゃないかって感じています。
じゃあなんでそれを単なる女性の比喩としてではなく、放送禁止用語を使ったのかっていうところがちょっと引っかかるじゃないですか。タイトルに。
で、パッと思いつくのが、刺激があるから使ったんだ、要は売れたいから使ったんだという可能性があるんですけれども、谷川俊太郎さんはもう売れるも何も大御所なのでそんな必要もないと考えるとその可能性も否定されるわけですよね。
じゃあなぜその言葉を使ったのかっていうところに思いを馳せてみると、世界や地球や神聖なるもの、女性を描いているものをなぜ我々が口にできないのかということを、暗に批判している、比喩として語っているんじゃないかと思ったんですよね。
谷川俊太郎さんは偉人なんですけれど、偉人の谷川俊太郎さんの詩を取り上げる時に、NHKではこの詩を取り上げられないんですよね。
取り上げられないことを取り巻いている理由はなんだ、我々はなぜ母であり女性であり死を迎える場所を口にできない、我々は何に縛られているんだっていうことを谷川俊太郎さんに問いかけられている気がするんです。
縛っているものがなんなのか、法律なのか、常識なのか、どうしてこうなっているのか、そうなってしまった原因はなんだろう、じゃあ眉をひそめる人達が悪いのか、茶化して悪用する連中が悪いのか、うっすらとそれを見て見ぬふりをしてる我々全員が悪いのかっていう、罪の意識すら感じる詩だなって僕は凄く感じます。

そういう話をその「お母さんに見せられない」と言った女性に説明したんですけれど、直後にああしまったと思ったのが、詩って今考えたような自由があるから、想像を自由に羽ばたかせて考えや自分の気持ちを織り込むことができる、凄く自由なメディアだなと思っていて、それを僕が訥々と説明しちゃうのは過ちであるというふうにその時に思ったんですよね。
谷川俊太郎さんが年をとっているから死を考えているっていうのも言葉に秘めた自由、禁止されたことがなんなのかを考えていらっしゃるのではっていうのも、全部僕の想像でしかなくて。なんなら僕はわりと自由主義者で、表現の自由が凄く大事だと思っているので、そういうのを守りたいなっていう気持ちがそこに反映されてしまっている。だから谷川俊太郎さんの詩を通して、何か正解を探し当てたのではなくて、詩を通して見てるのは僕の影だったっていう、自身の姿が見えるのが詩を鑑賞する醍醐味だなって思って。
だから彼女がお母さんに見せられないって言った感想は、それはそれで合ってるなって思ったんです。お母さんに見せられないっていうこと自体が詩を通してみた彼女自身の姿であり、その言葉って女性に拒絶されがちな言葉なんですけど、男性の我々が帰りたい、持ってない女性の神聖さを女性自身が拒んで、孤独さをより強調していて、また皮肉めいて美しいなって思ったんです。
そういう意味では、多様な考え方と多様な余地をもって考えることって、僕は凄く楽しいことだなって思って。
ああしまった、今、詩の解説をするっていう凄く無粋なことをみなさんにして、このFF14の何万人いるかわからないですけど、この方々に谷川俊太郎さんの一つの詩の一つの答えを見せてしまったっていう、まったくもってやっちゃいけないことをやったんですけれど、そういうことを少なくとも自分の作っているゲームではやりたくないなって思ったんですよ。

僕はクリエイターなので、僕が言ってしまうとそれが正解なんじゃんって権威になってしまって、皆さんもそれに頼るところがあると思うんです。そこはあえて僕は答えを出さずに、みなさんで考えることに意味があるんじゃないかって思ってる。だからこそ、例えばなんですけど、ヨコオは説明しないのが悪いみたいに思ってる人は当然いると思うんですけど、その答えも僕は正解だと思ってて。それはなにかしらの意味があって、それは作品を通して見てる人の影なんじゃないかなっていうふうに凄く思いますね。
だから細かい説明はせずに、僕としては考えてほしいけれど、考えないのも自由だし、そこがゲームの良さなんじゃないかなと思います。
いい話をしたので、今日はこれで終わりたいと思います。皆さんさようなら!

齊藤:ごめん寝てた。
吉田:僕は僕なりのラストの解釈をしたので、僕なりに思うことで調整したいって凄く細かく調整させてもらったんですよ。
ヨコオ:僕は吉田さんは親切だなって思いましたよあの時。
吉田:僕はどう感じてもいいと思うんですよ。今まさに。自由だから、思考とか感性って。
ただ、この中でも、僕はこの物語の主人公っていうのが、やっぱり光の戦士が操作しているっていう人に、もう一段見せておきたい。コノッグがやってきたことに対して、どう見えたのかっていうところだけでもどうしても見せたいっていうのがあったので。もうどっちかというと表現なんですよ。ただそれがヨコオさんの中にあるものとズレたものになるのだけは嫌だったので、僕的にはこう解釈したので、この演出だけはこうしたいと思ってますけど、それでも大丈夫ですかっていうのを、最後はやらせてもらいました。
齊藤:最後、セリフ一つ一つめっちゃ細かい調整したよね。
吉田:あれはもうこだわりです。だから僕は僕なりの一人のヒカセンとして解釈したことっていうのを作り手としてもこうしておきたいっていうのがあったんで。でもあれは本当に答え合わせをしようとかじゃなくて、解釈を展開しているんです。
まわりくどいなお前らって思うのかもしれないけど、それが今回の、ヨコオさんと一緒にお仕事をさせてもらうっていうことだと思ってたので、僕は凄く面白かったです。
ヨコオ:これはFF14じゃなきゃできなかったことだと思っていて、僕自身がFF14に影響を受けたなって、それによって出てきた話だったなって思いました。
吉田:それはありがたいです。
モルボル:凄い。お昼にお呼びして本当に良かった。いい話が聞けましたよ。
齊藤:めっちゃ押してるけどね。
吉田:いいんですよ、全然。このお話は多分二度と出ないレベルだと思うんで。
齊藤:あまり話さないもんね。
吉田:ヨコオさんにこんなに熱く語ってもらえるとは。
ヨコオ:というよりは最近の反省が凄くて。本当に最近なんです。それやったの。一週間前くらいで。うわーやっちゃったっていう謝罪をどっかでしたいなって。
谷川俊太郎先生、申し訳ありませんでした。凄く良い詩人の方なので、FF14をプレイしている方でご存知ない方がいればぜひ検索してみてください。
『二十億光年の孤独』っていうタイトルの、確かデビュー作の詩集に入っている詩だと思うんですけど、FF14のことを表しているなと。人間の孤独となぜ引き合うかということを示していて。ぜひFF14の皆さんに読んでいただきたい詩がたくさんあります。ぜひ。

吉田P/Dと組むなら、次は何やる?

Q:次に吉田さんと何かをやるとしたら、どんなことをやってみたいですか?

A:
ヨコオ:それを聞いちゃいますか! 立候補しますよ!
はい、FF16のシナリオを書きたいです! よろしくお願いします! 吉田プロデューサー!
モルボル:今日イチのいい声出ましたけど。
齊藤:そうだよね、直近だとそこだよね。
吉田:凄いね。凄くいい声で立候補していただいたので、一応真面目にお答えすると、残念ながらシナリオはもう完全にFixしてしまいまして。
ヨコオ:いや、まだ行けますよ! 隙間になんとか!
吉田:だって現在、最後のボイス収録にかかっちゃってるので……。
ヨコオ:俺が声優やるので。そこのパートを作って。
吉田:今ちょうど、英語が最後のタームに入ろうとしているところ。だからもし、16.5とかでも良ければ。
ヨコオ:ていうか、FF16の進捗状況って久々に聞くんですけど、この場でいいんですか。
齊藤:いや俺はもっと言えと思ってるけど。
ヨコオ:俺と齊藤さんが来る度に、FF16の小ネタを引き出すのがミッションな気がしてきた。
齊藤:シナリオ完成して、ボイスもほぼ終わりました。これだけで、ゲーム系のWebメディアがこぞって記事にします。
吉田:順調? いやまあ大変なのは大変です。めちゃくちゃ大変。やっぱりクオリティっていうラインを取ってもめちゃくちゃ大変なんですけど、もったいつけて情報出したくないってわけじゃなくて、次に出す情報は「これ見たらもう全員買うわ」っていうものにしたいんですよ。
見た目のクオリティっていうところもそうだし、バトルとか、まだ全然明かせてない大きな売りの部分とかっていうのも全部引っくるめた状態で「どうだ!」って行きたいので。
僕が良しっていうところまではまだ出さないです。
もちろんこの間、E3とか(ありましたし)、TGSもなんとかと思っていましたけど、間に合わないです。多分。
お知らせしたいんだけど、いいじゃないですか、出たら遊べるんで。
あまり長く情報を引っ張り続けるのは、僕自身が飽きちゃうんです。それはチームにも凄く話をしていて。
ディレクターやってる髙井さんとも握って、「早く遊びてぇ!出せよ!」「わかった出すよ!」っていうふうにしていきたいんです。会社的にはTGSに何かというのはあるんでしょうけど。
齊藤:今のでTGSガッカリ感出ちゃったよ。
吉田:E3だって事前に商品ラインナップが出てたじゃないですか。入ってないから。
齊藤:サブライズがあると思っちゃうんだよ。
吉田:ないです! TGSないです!
ヨコオ:俺がやっときましょうか、なんか。
吉田:もちろん、お待ちいただいていて、楽しみにしてくださってるのは嬉しいんですが、中途半端なものを出してワーワーするのは良くないんじゃないかと思って。
どんなゲームですよ、ここはあえてやってないですよ、というのも含めてドーンと出していきたいので、ちょっとすみません。
齊藤:じゃTGSはヨコオさんの考えるFF16っていうタイトルで。
ヨコオ:はい、それを語ります。ムービーから想像できる俺の話を3時間くらい語り続けます。
吉田:(FF14は)253時間のP/Dチェックに突入してますけど、FF16もプレイしながら髙井とずっと話したりとかはやっているので。全力でやっているからこそ、ちゃんとどっちもいいものにしようと思ってます。もうちょっとお時間ください。

お知らせコーナー

齊藤&ヨコオ新作ゲーム

齊藤さんとヨコオさんが組んでの新作ゲームが出ることは、以前から発表されていましたが、今日はその続報。
音楽は岡部啓一さんです!

プラットホームはスマホではありません! ダウンロードオンリーです!
ということは、PS5かSteamか、はたまたヨコオさんがいうガラケーか?

次回のPLL

次の第66回PLLメディアツアーの冒頭でやる予定です。
バトル関連の情報がドカッと出ますよ!
第67回PLLバトル以外の情報が出ます。
情報量が多いので、もしかしたら2回で終わらないかも?

ベンチマークSSキャンペーン

7/26(月)までやってまーす。

無料ログインキャンペーン

最大14日間の無料キャンペーンです。
ちょっとお盆休みにでも復帰しようかなという方どうぞ!

サントラ『Death Unto Dawn』

マメット・ライナのミニオンがついてきますよー!
2000文字くらいのライナーノーツをまだ書いていない吉田さんと祖堅さん。ハヨハヨ。

エオルゼアコレクション2021

プレイヤーが読モで登場のエオコレ!

だるま

なんで突然だるま!?

一攫千金のナマズオだるま。

限界突破のリミットブレイクだるま。

残念ながら、予約は瞬殺だったようで、その後の追加予約もあっという間に売り切れとなってしまいました。
だるま、需要あったの!? 縁起物は人気なのかな。

からあげクン

また来ちゃったよ! 祖堅さん完全監修のからあげクン第2弾!!
ペッパーフレーバーとタルタルフレーバーのダブル味!
なぜかからあげクンがCGになっています。

めっちゃ美味しい美味しい言われているので、ポイントキャンペーンとかなくても気になりますね。食べたい。

 

本日のPLLはここまで! お疲れ様でしたーヾ(*´∀`*)ノ

 

 

PLLまとめ
PLL(FFXIVプロデューサーレターLIVE)の紹介記事一覧。基調講演や出張レターLIVEなども。

コメント

  1. キャス・コッチャ より:

    フェアリーを鷲掴みしてたの気づいてなかったよーw

    私らが開発スタッフさんを見慣れたのもあるのか、なんかみんな映り慣れた感じがした。
    リモートになって画面に映る機会が増えて慣れたからなのかな?
    私は最近はTVで「誰だこの人」って人増えてきたので、開発スタッフさん達のがよっぽど親しみあるw

    ヨコオさんの話は面白かった!
    次でる時も昼に呼んで欲しいですw

    だるまは衝撃だった!
    ノリで企画したのかもだけど、まさかの大盛況w
    どんな業界でもXIVとコラボしたらなんでも売れそう!

    • あるひゃ より:

      >キャスさん
      だいぶ皆さん放送慣れしてきた感あるよね。
      確かにリモートでそういう機会が多いのはあるかも。

      ヨコオさんの話は真面目な方向だった!
      文章にまとめるのは大変だったんだけれども……。
      お話や設定の謎が解けなかったのは、残念なようなホッとしたような。