第62回よしPレターLIVEのおさらい

※画像も文章も大変多くなっておりますので、スマホ等からご覧の方はご注意下さい。

はい、こんにちは。
6.0の興奮冷めやらぬ中、PLLもドーンと来ましたね!
第62回PLLは、「パッチ5.5実装コンテンツ特集Part1」です。
プロジェクトマネージャー松澤 祥一さんのスペシャルトークセッションもあわせて、じっくり振り返りましょう。

<動画&フォーラム>
「第62回FFXIVプロデューサーレターLIVE」の動画とまとめを公開! (2021/2/19)

直前テスト放送

モルボルさんお一人での直前テスト放送。罪喰いTシャツを着ています。
からあげ弁当は美味しかったそうですよ。

天野先生のアートも既に壁紙になってますね。
ハイデリンとゾディアークが奪い合うようにも、守り合うようにも見える球体は、惑星ハイデリンなのか月なのか。

本放送

吉田P/Dとモルボルさん登場です。
おや? 吉田さんのTシャツは、チルドレン・オブ・ボドムの「鎌を持った死神」ですね。やっぱりネクロマンサー?

新情報発表会は、リアルでの観客の反応が無かった分、モニタでグローバルなコメントでの反応を見ながらやれたことが良かったそうです。
普段なかなか無い機会ですしね。
台本はざっくりとした物があるくらいで、ほとんどその場の自分の言葉で喋っているのだそうですよ。

6.0 ENDWALKER 暁月のフィナーレ

蒼天でスプリングと言いつつ6月になってしまったことから、紅蓮、漆黒ではアーリーサマーと言ってきた発売日ですが、コロナの影響でスケジュールが全体に遅れてしまったため、暁月ではフォール(秋)となりました。
ボリュームもかなり大きいそうですよ。

パッチ5.5実装コンテンツ特集Part1

パッチタイトル・実装日

パッチ5.5タイトルは、「黎明の死闘」。
英語タイトルの「Death Unto Dawn」が単独のゲームタイトルみたいにカッコイイ!

拡張へ繋がるメインシナリオは、Part1・2二部構成となっており、Part2はデジタルファンフェス直後の公開です。

吉田P/Dは、PS5を買えたそうです。ただ、話には続きがあって。
開発フロアには、当然PS5の開発機が存在します。
ですが、他社さんのゲームを参考にプレイしたいというのもあって、販売されている実機がほしいわけです。
というわけで吉田さんのPS5は奪い取られ、第三開発事業本部の真ん中に設置されることになりました。

吉「えっ、盗まれたらどうすんの、って言ったら『大丈夫!鍵かけときます!』ってめっちゃ鍵かかってんの。僕が買ったディスクも山ほど置いてあんの」
吉田のものはみんなのもの。第三開発事業本部だしね。

新たなメインクエスト

アラミゴでの会議の風景のようです。

新たなインスタンスダンジョン 黄金平原パガルザン

パガルザンは旧版の頃から地図には存在するザナラーンの地名で、アマルジャ族のエリアです。
遊牧民族のアマルジャ族が生息する草原地帯、のはずですが、戦火が上がっていますね。

新たなクロニクルクエスト ウェルリト戦役

ウェルリト戦役もついに完結です。
FF14随一の暗いストーリーが、果たしてどのような結末を迎えるのか。

新たな討伐・討滅戦 ダイヤウェポン

先程のスクリーンショットでも出ていた、ダイヤウェポンが今度の敵になります。

新たなアライアンスレイド ヨルハ:ダークアポカリプス

見たことある白い玉と倒れている誰か。

やりやがったな!となるかもしれないラストをご期待ください。
そして、ストーリーに関わるウィークリークエスト

ジョブ関連調整

引き続き、調整は行っていきます。
詳細に関しては、次回のPLLでお伝えできるかもしれません。

こちらは、新たなPvP報酬です。

レジスタンスウェポンの強化について

毎ジョブ同じ工程を繰り返すのかという誤解をされている方が多かったため、改めてご説明いたします。
レジスタンスウェポン強化に関しては、2本目以降は真ん中の段階を飛ばして作成が可能です。

攻城戦に人が集まりにくいという問題に関しては、Hotfixで報酬を追加します。
また、ボズヤ内部でのドロップ緩和調整も行います。

セイブ・ザ・クイーン

新たな探索フィールド「ザトゥノル高原」が登場します。

幻討滅戦

新しい幻が何になるかはまだ秘密。

クラフター関連調整

クラフターに超高難易度製作が実装されます。
報酬もあります。目立つ主道具

ギャザラー関連調整

採集場所がよりわかりやすくなります。
リリースもさらに楽に!

イシュガルド復興

復興祝いのちょっとしたお祭りがあるそうです。開発コードは「フェス」。

新たなお得意様取引

とある施設ってなんでしょうね? 病院か孤児院か浴場か。

トリプルトライアド

ついに☆4カードがデッキに組み込めるようになります。
これ以外にも、NPCがルールを無視したプレイをする件なども今後調整をしていくそうです。

自由探索

自由探索は、より自由にいろいろできるようになります。

その他

オーシャンフィッシングに、「カモメが飛んだら釣れやすくなるかも?」というようなワクワクする要素を入れます。
楽器演奏追加の音色が何なのかは、ちょっと理由があってまだ言えません。オタマトーンと予想する人もいましたがどうかな?

極マウントのコンプ報酬はこれ。

新たな絶討滅戦 絶・竜詩戦争 →延期

絶レイドは、パッチ6.1へと延期します。
拡張までの間に挑戦しようと楽しみにしていた方には、本当に申し訳ありません。

休憩

本日の休憩のお供は、アルバム「Scions & Sinners」から。

スペシャルトークセッション 松澤 祥一さん

本日のスペシャルトークセッションは、リードプロジェクトマネージャーの松澤 祥一さんがゲストです。

自己紹介

松澤:リードプロジェクトマネーズの松澤です。よろしくお願いいたします。
自己紹介の時に「新卒23歳、Mちゃんです」と名乗れというお題をいただいてたんですけれど、ハードル高すぎて、ちょっとひよってしまって……許していただければと思います。
イニシャルがMでプロジェクトマネージャーですけど、私はMちゃんではありません
Mちゃんは、FF14プロジェクトの蛮神的な何かなので、中の人とかはあんまり考えない方がいいと思います。
矢立肇さん(サンライズ企画部の共通ペンネーム)とか東堂いづみさん(東映アニメーション企画部の共通ペンネーム)とかそんな感じの存在なので。
吉田:濃いなぁ。

プロジェクトマネージャーとは?

プロジェクトマネージャーのお仕事は、工程管理から外部との交通整理まで、非常に多岐に渡ります。

つまり、こういうこと。

吉田:僕がなんとかいろいろな業務を兼務していられるのは、プロジェクトマネージャーの皆様のおかげですね。
松澤:真面目な話をすると、第三開発事業本部で一番貴重なリソースは吉田さんの時間だと思っていますので、プロジェクトマネージャー全員そうだと思うんですけど、(吉田さんの時間を)5分でも減らせれば我々の勝ちかなと。
モルボル:今日イチカッコイイの出ました。
吉田:逃げたいです。こんな人格者が第三開発事業本部にいたなんて。

 

では、仕事の一例をご紹介しましょう。

このアイデアに付随して、いろいろな業務が発生します。

これらがプロジェクトマネージャーのお仕事ということになります。
麻雀エンジンは、イーフロンティアさんの協力だったんですね。

松澤:いらすとやさんの絵はめっちゃ困った顔してるんですけど、そこまで困っているわけではなくて、これを分解してどう段取りをしていくかを考えるのが楽しいところでもあるので、そういうのが好きな方はプロジェクトマネージャー向いているんじゃないかと思います。
モルボル:どMかな?
吉田:コメントが人格者ですね。

よくわかる!FFXIVの作り方

吉田:可愛いな、このイラスト。
松澤:そうですね。これは私が先週、先々週と予算で苦しんでいる中、コミュニティチームの方々が力を入れて可愛いお化粧をしてくださいました。ありがとうございました。
吉田:ちなみに今松澤が言った予算っていうのはFF14の予算だけじゃなくて、ちょうど今の時期って、第三開発事業本部として、会社に対して来期・再来期・そのさらに先、大体三年くらいの予算計画を作って社長に提出し、私が部門長として社長から「うむ!」と言われる予算承認を取らないといけないんですよね。
予算って当然使うお金だけじゃなくて、利益をこれくらい出しますよとか、お金はこれくらい使わせてもらいますねとかっていうのをやらないといけないんですけど、苦しんでたっていうことからもわかる通り、ほぼ松澤さんに作ってもらっていまして……。
松澤:もちろんベースのところはチームメンバーが分担して凄く下準備をしてくれているので、そこに関しては凄く助かっています。
吉田:一応私部門長ですけれど、もう代わってもらった方がいいんじゃないかって思うくらいで。
松澤:それは死んでもお断りいたします。吉田さんにはずっと立っておいていただきたいですね。

吉田:今言う話じゃないかもしれないんですけど、私、簿記検定4級、誰でも受かるって言われたものに4回落ちて。3回落ちて4回目は受けるのを諦めました。あのね、売掛と買掛って合わないんですよ。何回計算しても。
1回合わなくて1万円ズレてて、次計算したら10万円合わないんですよ。で、諦めて退出しました。そしたら落ちた。
モルボル:でしょうね。
吉田:難しいのよ。プログラムとかパラメータとかは組めるんですけどね。なんかダメなんですよ。収支計画書全然ダメなんですよね。
そんな形で、FF14だけじゃなく、第三開発事業本部の屋台骨も支えていただいています。

 

松澤:FF14のアップデート計画ですが、皆さんもよくご存知の通り、大きな拡張がベースにありまして、「A Realm Reborn」「HEAVENSWARD」「STORMBLOOD」「SHADOWBRINGERS」という形で拡張版がリリースされているんですけれども、現在は5.0シリーズを5.xとしてアップデートを行っています。

アップデートの種類

パッチのアップデートに関して、おさらいしてみましょう。

メジャーパッチ

マイナーパッチ

Hotfix

吉田:あとはさっき言ったレジスタンスウェポンの強化周りですね。僕らの描いていたシミュレーションと、実際に遊んでいるプレイヤーの温度感がズレてるなと思った時に、大急ぎで調整して行こうというものをHotfixで入れたりします。
松澤:ポジティブなケースですね。
問題が生じたHotfixとかをやる時は、大抵緊急性が高い状態になるので、「こういうものが発覚しましたよ」という緊急連絡を吉田さんにするのも、プロジェクトマネージャーのメンバーがハブになって行うことが多いです。
吉田:Hotfix案件って、事前に決まっている案件と、そうじゃない案件というものがあって、例えば、メジャーアップデートをこの日に出すと決めた後に見つかったバグというのは、もう次のHotfixで修正していこうね、という「決まったHotfix」なんですよ。
ところが、実装してみたら「零式で裸体のエレゼンが出現する」みたいなバグは、もう全然予想外なわけですよ。「何を言っているんだい。出てくるわけないじゃないか」みたいな。
そういう連絡が来るんですよ。急に。別の打ち合わせとかやってる時に、ピコン!って。「ちょっとあの、裸のエレゼンが……」「は?」って。
松澤:あれが、明らかに吉田さんが忙しい時のミーティングの時間とか、今日はちょっと上がれたので外に出てる時とかに連絡をしなきゃいけないというのが、意外とプレッシャーではありまして。
吉田:まぁそうでしょうね。
松澤:松澤から電話がかかってきたらきっと悪いニュースだ、と思われているのではないかと心配です。
吉田:いや本当に申し訳ないと思ってるんですけど、一言目が「は?」なのはよくないと思ってるんです。松澤だけじゃなくて、他のプロジェクトマネージャーの子とかからも(電話が)来るんですよ。緊急だから。でも内容を伝えられた時の僕の「は?」っていうのは多分よくないんだと思うんですよ。
モルボル:「は?なんつった?」みたいなことですよね。
吉田:そうです。
松澤:内容もあれですからね、ありえないだろみたいな内容だったりしますからね。
吉田:(僕は)エンジニアじゃないですか。だからエレゼンが裸で出るわけがないと思うんですよ、まず咄嗟に。それが思わず「は?」って出ちゃって、凄く怯えた顔してるプロジェクトマネージャーの子の顔を見て正気に戻って、でも出てるって言ってるってことは出てるんだろうから、その可能性はどこにあるんだろう、もしかしたら見えないオブジェクトとしてエントリーする時に、ダミーIDとしてエレゼンのID使っちゃったのかな、冷静に考えるとないわけじゃないけど、なんでそれが出たり出なかったりするんだよ、などと考えていくうちに、「は?」って言った以降、ずっと黙ってるっていう状態になっちゃうんですよ。
松澤:私はだいぶ慣れてる方だとは思うんですが、正直言うと私もそんな悪いニュースより、エヴァの話とかガンダム(?)の話とかを吉田さんとしたい! 残念ながらそういう機会はなかなかないわけなんですが。
(コメントでは、「吉田、ほえーって言ったらいいよ」というのも来てましたね)

 

松澤:このスケジュールはグローバル版で、この裏側で中国版韓国版のアップデートもあり、サーバーエンジニアはそちらの待機もしているため、ほぼ毎週何かのメンテナンスを行っているような状況です。
吉田:中国・韓国には運営をお願いしていて、メンテは開発側でやっていかなくてはならないので、日本側のサーバーチームとインフラチームがメンテナンスにあたっています。
松澤:エンジニアからは、このパッチを中国・韓国・グローバル含めて、できるだけパッチ日が重ならないようにスケジューリングしてくれと言われるんですけど、無理なんですよね。できるだけっていうところに優しさがにじみ出ていて、メジャーパッチは重ならないようにするんですけど、マイナーパッチは重ねたりっていうところを工夫しつつ、相談しつつやっています。
吉田:プロジェクトマネージャーチームは、絶えず日割りでパズルしてくれていますね。中国版担当、韓国版担当という感じでね。

開発期間は、このようにパッチスケジュールに挟まっていきます。次は開発のお話です。

メジャーパッチ進行

これはパッチノートの長さ。これだけのボリュームを開発しなければなりません。

松澤:実際に5.4のメジャーパッチを例に、どういう形で進行していったかをもう少し紐解いていければと思います。
さっき実装期間でいうと3.5~4ヶ月営業日という話をしましたが、もちろんリソース(開発に必要なデータや環境など)周りとかはそのスパンだとどうやっても間に合わないので、手前のところからリソースの発注と制作を進めていきます。コンテンツがそのくらいのタイミングで、シナリオ周りやボイス収録など、長いスパンで見なければならないものに関しては、さらにもうちょっと手前から準備をしていきます。大体3ヶ月前からコンテンツや仕様書を作り込んでいって、実装までの準備を整えていくというのを、手前のパッチと並行して進めていく形になります。
全て並列で、50営業日くらいでコンテンツの実装を行います。メインシナリオ、レイド、インスタンスダンジョンなどを作り込んでいきます。
吉田:ここがちょっと特殊なんです。パッチ5.4で公開する予定のコンテンツをプログラム作業してガリガリ組み立てていく、みたいなのは、5.3リリース直後から、実装期間ということでバーンと始まるんですけど、そのコンテンツの企画者はもっと前に、一旦こういうボスにしてこういう技を使います、というのを全部決めて、仕様書を書いて、デザイナーに発注をして、プログラマにこれくらいの新ギミックは大丈夫ですかという見積を取っておいて、グラフィクスが上がってきたら実装する、ということにやっています。ですので、企画という意味だと、6ヶ月前とかにもう締切が来てて。実際に組み立てるのはもっと後になっていくという。物凄く未来に生きていたりするんですよね、我々。
モルボル:例えばここでいうと、5.30のところからコンテンツ実装が始まってますけど、ここから絵を発注してたら間に合わないということですよね?
吉田:そうですね。切り取ったらその解釈で正しいけど、じゃあパッチ5.5の発注ってどうなってんのっていうと、このコンテンツ実装の直前くらいに企画をまとめ、発注書を書いて、次の発注をもう終わってないとダメ。で、頭を切り替えて実装をやって……。凄く難易度の高いことをやってもらっているとは思います。
松澤:この辺の実際の進行は開発メンバーが凄くキッチリしていて、各リーダーがゴリゴリ調整して進めてくださるので、プロジェクトマネージャーとしてはとても助かっています。
吉田:今コメントにもあったんですけど、「じゃあ大体メジャー(パッチ)2個前くらいから作ってんのね」って。そうですね。
なので、コンテンツがどんどんでかくなっていっているので、辞めてるとかじゃなくて、とにかく(スタッフを)増やしていきたいっていうのと、凄く難易度が高いので、どんどん若手をレベルアップさせていくというので、常時募集を出していきたいのです。
松澤:ジョブの数とかも増える一方ですからね。単純に物量が増えていく。
続いて、調整期間と呼ばれている期間が15営業日くらいあります。ここで実際に組み上がったコンテンツの手触りを確認して、パラメータの調整などを行っていきます。
並行して、P/Dチェックというものがありまして、吉田さんにもプロデューサー兼ディレクターとして、コンテンツ内容を確認してもらおうというフェーズです。
吉田:僕のP/Dチェックというものは、大きく分けて2つあって、2パッチ前に仕様書の段階で確認しているんですね。これは順不同で、仕様がまとまったところからどんどん飛んできたり、打ち合わせをやったり、いいとは思うけどこのパラメータもうちょっと気をつけてほしいなとか、このサイクルちょっと歪んでるからどうにかならないのとかをやります。
その後しばらくは次のパッチのチェックが飛んできたりしています。
で、「組み上がりましたよ。開発チームでも調整していますが、時間がないので吉田さんも見始めてください」というのがP/Dチェックです。

黄色いところが、FF14のP/Dチェックの時間です。
はFF16の作業で、個人作業時間は仕様書チェックやメール書き、トレーラーの字コンテに充てられます。
昼食の時間は、蛮神Mちゃんに消されたようです……。
多人数チェックというのは、バランスや人の流れを見るために、大勢のスタッフでチェックするもの。
このチェック後、以下のようなP/Dオーダーが出る場合があります。

吉田:プレイヤーの皆さんが、新生がフライングできるとなったらテレポしてここ行ってみようっていう場所、あるじゃないですか。僕もヒカセンだから、自分だったらどうするだろうと思って、思いつくままに、まさにみんなが登ってみたくなるような場所に行ったんですよ。確か夜だったのかな。
で、行ってみたら、まず乗れない、乗れたとしても壁にめり込んでいく、下りられない。ファイナルファンタジーとして、このフライングマウントが半分壁に突っ込んだ絵はだめじゃない?って。
確かにコリジョン(物体の当たり判定)って地道な作業が必要なんですよ。明確に乗れないところはもうボックスで囲んで乗れなくてもいいよと事前にすり合わせはしていたんですが、多分そのニュアンスの解釈が違ったんだなと思って。
でもこのままではファイナルファンタジーシリーズとして、大雑把でもいいとは言え、このままではあまりと思うんだけどどうだろう、とポジションをいくつか確認して送りました。
仰る通りですけど今からですかと言われたので、じゃあどれくらい工数かかるかもう一度確認してほしい、パッチのタイミングをずらさなきゃいけないならそれも検討するから、でもこのままでは良くないと思う、と言いました。
松澤:レベル班やBG班、QA(クオリティアシュアランス)チームが頑張って、無事皆様にお届けできました。
吉田延ばさざるを得ないなら延ばすべきだとその時も思っていて、プレイヤーの皆さんが飛べるからいいよと言ってくださったとしても、いくらなんでもこれは違うかなって、クオリティラインの線引を検討してくださいと話をしました。
確かに結構時間が迫ってたタイミングだったけど、そこに予定入れられてたんだもん。

翻訳の段階でも、吉田P/Dの修正指示が入って、ローカライズチームが頭を抱える場面があるそうです。
もっと早くやればと思うけれども、その頃は前のパッチの作業をしていて、どこにも余裕がないと。
そういうギリギリの進行を、プロジェクトマネージャーに支えてもらっているそうです。

松澤:このシステムが組み上がって安定するまでに2年半ほどかかりましたし、今でもまだ試行錯誤しています。
吉田:蒼天の頃にペース配分がわからなくて、みんなでのめり込んだら、みんな燃え尽きそうになって、あれが多分一番良くなかっただろうから。もうちょっとちゃんとブレーキかけるとこかけたり、先送りにできるものは先送りにしないと、我々がもたない
でも確かに、効率化するために、リーダーには踏ん張ってもらっています。裁量権としては、ここくらいまでパッチではやる予定でしたけど、これとこれに関しては次のメジャーに先送りにしたいんですけど、という話を、実装始まった2週目くらいにやったりしています。

 

吉田:メジャーパッチリリースが近づいてくると、4週間前くらいから必須バグ精査というのが毎夜開かれます。その日出たバグはその日のうちに直すということをやって、100件くらいになってくるんですけど、それでも出てくるわけですよね。
プロジェクトマネージャーと各セクションのリーダーが集まって、これをこのタイミングから直しても大丈夫なのか、そこまで進行に影響はないから安定性のことも考えて見送って、パッチをまず届けた方がいいんじゃないか、というのを毎日集まってやります。
モルボル:これがパッチノートで「確認されている不具合」としてご紹介するものになるんですね。
吉田:そうですね。「再生編二層にエレゼンが出る」というバグは見つかってないんですよね。一度も出なかったんですよ。デバッグ中に。
松澤どうしても見つからないバグというのはあるんです。うちのQAチームは優秀だと思うのですが、紅蓮の時にエモートを維持する、というのがありまして。寝た状態でコンテンツに行って帰ってくると寝た状態を維持する、というものなんですが、特定のインスタンスダンジョンから帰ってきた時に、水中に戻るというケースがあったかと思います。水中に戻るところで寝ているエモートを使うことが想定されていなかったのでサーバーがダウンする、というバグがありました。これはリリース後に発覚して。
吉田:そうね。あの時はざわっとしたよね。
そのバグによって、サーバーがありえない挙動になってダウンするというのが、我々にとって一番クリティカルなので。多分ご本人は意識も無いんですよ。自分のキャラクターが水中に戻ってきて寝てたおかげでサーバーダウンしてしまうなんて。僕らが作ってしまったバグなんですけど。その人は一所懸命トライするんですよ。「サーバー落ちたから入らなきゃ」って。でも入ると落ちるんですよ。だからもう一刻も早く直さないと、という。サーバーをダウンさせるトリガーバグっていうのは、そういうものだったりするんですよね。
松澤:そういうものが先程のHotfixに繋がります。
吉田:僕らも数百人規模で開発をして、デバッグをしているのですが、パッチが始まると、数十万人の人達が物凄いトライ回数でプレイしてくださるので、僕らでは見つけられなかったバグがどうしても出てくるんです。件のエレゼンはそうやって編み出されました。
松澤:ちなみに拡張パッケージの時は、バグ登録件数が2万件くらい行きます。
吉田:まぁまだ2万だからなー。もしかすると他の大型ゲームに比べたらまだ安定してる方なのかもしれない。

 

マスターチェック期間というのは、基本的に何もしないでくださいという期間です。
ただ、この期間に何か出てしまった場合は、吉田P/Dの代わりに松澤さんやチームメンバーが「なんとかこれだけは直させてくれないか」と。

長いパッチノートは、コミュニティチームの方で取りまとめをしてもらいつつ、開発メンバーが仕様書をベースに原稿を書いて仕上げていきます。
2ヶ月以上かけて、テキストのベースをもらって、整形して、仕様が確定したら盛り込んで、というのをずーっと作業しています。それを翻訳して、HTMLにしなければいけません。

このスケジュールの他には、倫理確認といって、実装する内容がレーティングに適しているかの確認をしたり、特許確認をしたりしています。
特許は、取れるものはちゃんと取って、考えた人に還元していくようにと、実装コンテンツやシステムの中で特許を取れそうなものについてはちゃんと取るようにしています。

これがずっと続いていくわけですね……。

 
やりがいがありそう!と思った方は、ぜひこちらから!
応募する際は、直接応募していただけると、エージェントに払う費用が少ないので助かります! やる気を見せるためにもぜひ直接応募を!とのこと。

Not Found | SQUARE ENIX

異業種から来た方も活躍しているそうです。アニメ業界の制作進行をしていた人が「アニメ業界に比べたら天国ですよ」と言っていたとか……。

モルボル:運営チームも開発チームの方々とお話すること多いですけど、「それは開発のことだから(運営チームには)わからないから」までは一緒なんだけど、その後ろは「だからこっちで考えるよ」って言ってくださることが多いので、あんまりゲームの仕組みがわからなくてもやりやすくはあるかなとおもいますね。
吉田:そうですね。僕一番嫌いなのは、「わかんねーから黙ってろよ」とか「わかんねーなら俺に一々スケジュールの指図すんなよ」みたいなので。昔はあったんですよ。嫌なんですよ、僕はそれ。
せっかく吉田がやりたくないこと全部やってくれてるのに、感謝こそすれ、邪険に扱うのは絶対無いでしょ、って。じゃあ貴方自分でスケジュール管理全部しなさいよ。そもそもプロジェクトマネージャーが貴方のところに来てるのは、自分で申告したスケジュールを守れてないからですよ。なんで遅れてるんですかって聞いてるのに、「開発わかんねーお前に説明してもわかんねーだろ」みたいな態度を取る先輩がいたんですよ。ちょっと無いよねと。
プロジェクトの規模が大きくなればなるほど、開発は開発に特化して、マネジメントはマネジメントに特化した人にやってもらうことで総合力が上がるというチームの考え方なので。特に第三開発事業本部では、プロジェクトマネージャーっていう人の育成とか、経験を積んでもらうことに重きを置いてるので、ぜひ我こそはという方はご応募いただきたいですね。

拡張パッケージ

最後に拡張パッケージの話を。

SKU(ストック・キーピング・ユニット)というのは、マスターアップして最終的に皆さんに購入していただくゲームの種類だと思っていただければ良いです。
物理版とダウンロード版はそれぞれ違うので、2と数えます。これにエディションやプラットフォームを掛けると、24マスター存在するのです。
FF14はダウンロード版の販売割合が、非常に大きい(約87%)ので、次回6.0では全てをダウンロード版にさせていただけると大変助かります、とのこと。
ちなみに一般のゲームではダウンロード比率が30%を超えるとかなり多いね、という印象です。FF14はMMOというジャンルによるところもありますね。

 

海外の体制。それぞれに運営チーム、QAチームがいます。
グローバル全体では何人が関わっているのか、580人くらいまでは数えていたそうですが、もう把握できていないそうです。

中国も韓国も、預かっているゲームではなく、自分達のゲームなんだということを強く心に持って運営してくださっていて、本当にありがたいことです。

PS5に関して

SIE(ソニー)さんのレギュレーションでは、ディスクで買ったものは、次もディスクでアップデートしていくのが通例なのですが、今回PS4からPS5への切り替えに関しては、特例としてディスクレス対応となります。
「これだけ長く遊んでもらっているのであれば、ディスクレスで長くもっともっと遊んでもらった方がFF14プレイヤーの皆さんのためだと思うし、我々ももっとPS5を頑張って作るから遊んでもらいたいので」というSIEさん側からの配慮だそうです。
これで本体もディスクレスタイプを選べるようになるのかな? 今後PS5本体購入を検討している方は、ここの詳細を確認してからが良いかもしれません。
次回のPLLでは、4K対応になってどれくらいアイコンが描き込まれていたかなど、実機プレイも予定しています。

PS5版制作の陣頭指揮は、ほぼ松澤さんが取っていたそうですよ。
この制作に携わったスタッフはまだ誰も本体を入手できていないようですが……、早く普及するといいですね!

最後は松澤さんからご挨拶です。
松澤:今日は皆さんありがとうございました。
普段だとファンフェスで皆さんに実際にお会いする機会があったりして、実は誘導をやったり、カメラを撮ったり、いろいろやっています。
プレイされている皆さんのお顔を直接見て、どういう風に楽しんでいるのかと接する機会があって、個人的には凄く楽しみにしていた部分でした。
今回は状況もあって、オンラインという形ですが、こんな状況下だからこそ、オンラインゲームとして、皆さんがコミュニケーションを取る手段の一つとしてFF14を使っていただけているんじゃないかと思うこともありまして。
皆さんの力でぜひ、世の中を盛り上げるのにも、FF14を盛り上げるのにもお力添えをいただければと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

お知らせコーナー

では、お知らせコーナーですよー!

Panasonic 限定版サウンドバー

パナソニックのサウンドバー、北米・欧州版発売です!

デジタルファンフェス

デジタルファンフェスもおさらい!
開催は、5/15(土)・16(日)です。

今回はなんとライブも無料で視聴できますよ!

記念アイテムも販売されます。

マウント:ルナホエールは8人乗りです。

ミニオンはFF4のキャラクター!

休憩

本日の休憩のお供は、アルバム「Scions & Sinners」のカッコイイMVです!

オケ譜も特典についてきますよー。

ジャラネットよしだ

PLL第三部は、通販番組ジャラネットよしだ(仮)。
リアルイベント会場で宣伝できない分、ここで頑張って商品を紹介しなければ!ということだそうで。
商品はそれぞれ販売される地域が違いますので、ご注意くださいね。

 

商品の受け渡しの際には手袋をしてくださいと指示があったため、二人とも白手袋で鑑定団みたいになっています。
いや……映画泥棒ですかね。なんで指輪バッチリ嵌めてるのw

音楽関連商品紹介のため、祖堅さんが相方に来てくれました。
祖堅「ファイナルファンタジー14で下流工程を担当しております、サウンドの祖堅です」

音楽

先程のMVのカッコイイアルバム「Scions & Sinners」です。

アンテンパード2は32曲入り。アニマデザイナーの方がジャケットを描いています!

フィギュア

オメガフィギュアの交換対応に関して

まずは、以前発売したオメガフィギュアに関してのアナウンスです。
オメガMとFの顔の塗りのクオリティが低くて納得が行かないという方は、お手数ですがサポートセンターにご連絡いただければ交換対応をいたします。

スクウェア・エニックス e-STORE
ミニオンフィギュア

こちらは、ヤ・シュトラのミニオンフィギュア。結構大きいですね。

ウェア

スノボの時にこれ着てフードかぶってアシエンになるそうなので、吉田P/Dを見かけたら声をかけてください☆彡

こういう怪しいデザイン系は各国好きな方がいるかと思いますが、欧州限定品です。

マスクはスッポリサイズ。アジャスターもついて、長さが調整できます。メテオマークもさりげなく。

雑貨

パスポートサイズのマスクケースは、お薬手帳や母子手帳入れにも良さそうです。

 

匠の工芸品のため、お高いですが、とても良いものに仕上がっています。

ソムヌス香って言われてるw

シャーレアン学習帳は、まさかのグローバル商品です。

細部まで本物!

中は自由帳。

素数のお勉強したりもできます。絵上手いな。

エオルゼア文字表!! 自分で手書きで作って、地図と照らし合わせていたのは10年前だ……。

林さんと織田さん監修で、ジャポニカさん製作の本物ですってよ。お二人からコメントも届いています。

:社会人になった今でも、ガチのマジでジャポニカ学習帳を愛用しています。中でも算数(27行)は、文を書く、図を書く、表を書くという三つの作業全てにおいて最適です。決まったフォーマットも無いため、どんな書式でも書くことができ、ゲーム開発に最も適したノートだと言えると思います。また、PCやスマホなどのデジタル端末よりも気軽に過去を振り返ることができます。時折、数年前のノートを見ると、当時の思考の流れや思いを再確認できます。
自分はかなり長期間FF14の開発に携わってきましたが、今まで作ってきたたくさんのデータは、まさにこのジャポニカ学習帳があったおかげと言っても過言ではないでしょう。そんなわけで、愛するジャポニカ学習帳のFF14版を作れることに大変感動しています。
こだわりポイントは、ジャポニカ学習帳は我々だけでなく、アニメや映画作品、大相撲など数多くのコンテンツとコラボをしたり、類似品が発売されたりしていますが、表紙だけでなく、中身できっちり、言い方によってはムダにこだわって作っているのは、我々FF14だけです!あり物の宣伝素材を適当に組み合わせただけでなく、世界設定班、UI班、ライブ班など、多くのスタッフ全面協力のもとで企画されています。
織田シャーレアン魔法大学の教育学研究室からのためになる知識、というテイで、あれこれ豆知識を学習帳風に掲載させていただきました。本当にためになるかどうかはさておき、楽しんでいただければと思います。

 

シナリオブックは、全セリフが読める資料です。ノベライズではありませんのでご注意を。

ナマズオ絵本、絵を担当した長嶺裕幸さんは、オメガMちゃんFちゃんや、ウォーリア・オブ・ライトのデザインも担当された方。またまたお二人からコメントが届きました。
織田:不意に思い立ち、吉田さんに「絵本作りたいんですけど」と相談してみたところ、トントン拍子で話が進み、この度出版できることになりました。突然のイラスト指名にも快く応じてくださった長嶺さん、出版に向けて尽力してくださった皆さん、本当にありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。
なお、肝心の絵本の内容ですが、当時4歳だった長女にせがまれて、毎夜の寝かしつけの際に聞かせていた即興のお話の一つがベースになっています。当初は、全裸のマタンガがナマズオのお祭り会場に乗り込んできて破壊の限りを尽くす、という内容だったのですが、それを聞いた長女から「乱暴は良くない」と諭されまして、結果的に非常に平和でハッピーな、幼児に読み聞かせても問題のない、極めて無害な物語と相成りました。そして、むやみやたらに、長嶺さんが描くナマズオやウソウソが可愛く仕上がっております。
幼いお子様がいらっしゃるヒカセン、ヤミセンの皆様におかれましては、どうぞ心配なさらずお手にとっていただければと思います。
ちなみに、世界設定本第三弾をご期待されていた方、本当に申し訳ございません。書き進めてはいるのですが、諸々検討した結果、6.0のメインシナリオを経た後に出版した方がより完全な本に仕上がるのではないかとなりまして、またいずれ機会があればということにさせてください。
長嶺:今回のお話を織田さんからいただきまして、久しぶりにナマズオやウソウソを描くことができて嬉しかったです。
普段はモデルを製作するための設定画などを描く仕事をしているため、物語に合わせてキャラクターを動かすのは初めての経験で手探りの毎日でしたが、ナマズオやウソウソ達のゲームの中では見せない動きや表情を楽しんでいただければと思います。

 

今回のPLLは長丁場でしたが、以上で終了です!

お疲れ様でした~。

 

PLLまとめ
PLL(FFXIVプロデューサーレターLIVE)の紹介記事一覧。基調講演や出張レターLIVEなども。

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