ロマンスグレーに花束を

今日はFF14のことではありませんけれど。

俳優の児玉清さんが急逝されました。
ニュースを聞いてもうショックで・・。
本当に素敵な方だったのに。残念でなりません。
児玉さん、並びにご家族・関係者の方々にお悔やみを申し上げます。

少し前にアタック25に出場した時のことは今でも鮮明に思い出せます。
キラキラして天井の高いスタジオ。颯爽と風のように登場した児玉さん。
背が高いのも相まって、近くで拝見するとあの柔和な優しいイメージとはまた別の、俳優としての迫力があります。
そしてよくしゃべるよくしゃべる。
えっ、こんなに朗らかにどんどん話す方だったの？　寡黙で渋いイメージばかりあったので、かなりびっくり。
クイズの説明をし、会場の緊張を和らげ、最高の思い出にして持ち帰ってもらおうとするエンタテイナーの真骨頂をそこに見ました。

スタッフの紹介も全部児玉さんがするんですよ。
プロデューサーや加藤さんのような重要人物だけではなく、カメラさんや二階の方の編集の方？まで。
一般参加の番組とは言え、なかなか看板MCがそこまでするというのは珍しいのではないでしょうか。
スタッフの皆さんもニコニコと嬉しそうで、どの方もきちんとした丁寧な方で、さすが児玉さんが大事に作り上げて来た番組なのだなという雰囲気でした。
プロデューサーさんも「せっかく全国放送に出るんやから、めいっぱい楽しんでって下さいね！」というイイ意味での関西のアットホームさを体現してらっしゃいました。
テレビ業界に勝手に抱いていたイメージとは違う、とても真摯で丁寧な現場でした。

児玉さんが、途中休憩の際に、出演者や応援の家族にアメ玉を自ら配って歩いて回るのは有名な話。
「今回はお子さんが多いので大人の方の分が無いな。申し訳ありませんけれどガマンしてくださいね」などとユーモアを交えながらサクサク配って下さいました。
途中で泣いてスタジオの外に出ちゃった小さな子供やその連れにも、廊下でいろいろ話しかけて下さったのだそうです。
収録が終わると、記念撮影にも一人一人たっぷりと時間を使って応じて下さって。
複数のカメラを次々とイヤな顔一つせずに交換してくれたり、アタックチャンスのポーズのかけ声をかけてくれたり、加藤さんと立ち位置交換してもう一枚、など自分からサービスしてくれたり。
おずおずとサイン色紙を出した私に「じゃあ楽屋でお渡ししますからお預かりします」と。
あれ？サラサラっとここで書いてくれるんじゃないのかな？タイミングマズかったのかな？でもスタッフさんに確認したから大丈夫だよなぁ？
と楽屋で参加賞の説明を聞いていると届く色紙。
なんと問題を読む加藤さんのサインも加えて、おまけにアタックチャンスポーズのご自身のイラストまで添えて下さっているではありませんか！
だから楽屋に持ち帰って時間をかける必要があったのか！
ここまでしてくれるのか！なんかもうスゴイ、スゴ過ぎるぞこの人！と参加者一同、色紙の写真撮りまくりなのでした。

ドラマに引っ張りだこだったのも分かる気がします。
共演者もスタッフも、きっと児玉さんと一緒に仕事をしたかったのでしょう。
与えられた役を真摯にこなし、合間に本を読み、書評やラジオの仕事も好評で、趣味の切り絵は玄人はだし、英語とドイツ語も堪能とか、もう何このスーパーロマンスグレー。
こういう年の取り方が出来るように私も頑張ろうと心底思いました。
人生って一期一会だよね。何回あるか分からないアタックチャンスを逃しちゃいけないね。
本当にお会い出来て光栄でした。ありがとうございました。

夜、布団の中でこの訃報を見ていたら妹子から「あるひゃん起きて！児玉さんが！」と連絡が来ました。
なんというタイミング。なんで寝てたの分かったのだ。
でも嬉しかったよ。大事なとこ言い間違うし、なんか笑ってしまった。
ありがとね。

児玉さんの著作を。
負けるのは美しく (集英社文庫)
これが趣味の切り絵だけど、どの作品も完成度高いです。ポスターになってたら部屋に飾りたいなぁ。
たったひとつの贈りもの―わたしの切り絵のつくりかた
東リのラグ＆マットWebカタログを見ると児玉さんデザインのカラフルな楽しいラグあります。ちょっと欲しいな。
東リ　カーペット・ラグ＆マット

これは児玉さんの帯で売れたという恋愛小説。サイモン＆ガーファンクルの曲をかけつつ読んでみようか。
水曜の朝、午前三時 (新潮文庫)
持ってます。よく出来てるのよ。
パネルクイズ アタック25

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